ストレス四方山話

「今年度の目標は高ストレス者ゼロ」…それはなぜダメ!? | 株式会社エクスウェル

皆さまの会社でも次年度の管理目標を立てなければと考えている人もいるでしょう。社内の担当者は、ストレスチェックの導入に伴い、制度設計、ツールの選択、チェック後のフォローアップなど、大変なご苦労があったかと思います。「今年は導入で大変だったし、来年度こそは本腰入れてやろうか」、そのような会社もあるのではないでしょうか。
意外にも、高ストレス者の面接希望が少なかった、またはいなかったような会社は、「よしよし♪」次年度はメンタルヘルス活動を促進するためにも、社内目標として、「高ストレス者ゼロ」という目標を掲げるところも出てくるかもしれません。

会社では、数値目標を掲げられることがしばしばありますが、ストレスチェックにおける「高ストレス者ゼロ」という目標は良い目標だとは言えません…。それはなぜでしょうか…?ストレスチェックとは、「労働者のメンタルヘルスの未然防止」が目的とされています。もし、会社で「高ストレス者ゼロ」を掲げるとなると、従業員の人たちは、社内の目標に反しないよう、チェック時にわざと良いようにつけようかと考えるようになります。そうなると、表向きには、「高ストレス者はゼロ名」という目標は達成されますが、従業員のメンタルヘルスの未然防止には何の意味もさないこととなります。

高ストレスであろうがなかろうが、従業員がチェックを受け、「この結果はどう解釈すれば良いのだろう?」「どうすれば今よりストレスに強い自分になれるのだろう?」「病院へ行ったほうがいいものなのか?」などの疑問を相談できる場所の設定が必要になると思われます。社内に産業医や保健師、臨床心理士、カウンセラーといった人材がいるところであれば、そのような人材を活用することが望まれます。しかし、多くの会社では、会社の衛生管理者の人たちが窓口となっている場合が多く、なかなか容易なことではありません。

厚生労働省では、こころの耳(https://kokoro.mhlw.go.jp/agency/)というサイトで、専門相談機関・相談窓口を紹介しています。また、外部では産業保健サービスを提供している会社も多く存在しています。従業員の高ストレスを減らすという真の意味で、相談窓口の開設、既にあるところはその稼働の見直しなどを考えてもよいのかも知れません。

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