ストレスチェック制度の課題
- 2019年06月10日
ストレスチェック制度は2015年12月より実施義務化されたので、丸3年が経過しました。これまでに厚労省から報告された実施状況報告を見ると、ストレスチェックを実施した事業場割合も、受検した労働者割合も8割前後で推移しているようです。また、医師等による面接指導を受けた労働者割合は0.5%前後だったようです。
今後も、会社は引き続き、労働者がストレスチェックを受検出来るよう環境を整えていく訳ですが、果たして何か効果が出ているのだろうかと疑問を感じている担当者も多いのではないででしょうか?
ストレスチェックの大きな目的は、“労働者自身のストレスへの気づきを促しメンタルヘルス不調を未然に予防する”ということですから、もちろん受検出来るよう環境を整えることは必要不可欠な対応と言えます。ただ、その効果はなかなか目に見えるものではありません。加えて「面接指導を受けた労働者割合:0.5%前後」という数字を見ると、高ストレスという結果であっても面接指導を申し出る人は少ない訳で、果たしてそういった人達に何かしなくて大丈夫なのか?という疑問を抱いても不思議ではありません。
ただし、面接指導はあくまで当人の申し出によるものですから強制することは出来ません。担当者として出来る対応は、面接指導の申出を勧奨すること、そして安心して申出が出来るよう情報を周知し環境を整える、といったことにとどまるでしょう。 もう少し積極的にストレスチェック結果を活用するならば、やはり努力義務である組織分析・集団分析を行い職場環境改善に役立てる、ということでしょうか。ただ、せっかく組織分析・集団分析を行っても、その結果を管理監督者等にフィードバックするのみにとどまっている企業も少なくないようです。場合によっては、管理監督者の通知表のように受け止められかねません。
ストレスチェック結果は、あくまで受検したその一時の状況を反映していること、また影響を及ぼした要因は社外にある可能性も十分あることを忘れてはいけません。 組織分析・集団分析結果を職場環境改善に活用しようという場合も、あくまで気付きのきっかけ、管理監督者のマネジメントの振り返り材料くらいに位置付けた方が良いと考えます。その前提に立ち、日頃なかなか大変な立場にある管理監督者同士が、ざっくばらんに互いの部署の状況について話し合えるような場を設定すると、良いヒントを得ることも出来るのではないでしょうか。時には、外部の専門家を招きアドバイスを受けることも、より気付きを促すことになるでしょう。
せっかく労力をかけてストレスチェックを実施するのですから、その結果が有効活用されることが、受検した労働者にとっても担当者にとっても最も望ましいと言えるでしょう。
「メンタルチェク@クラウド」には、面接指導を躊躇される場合への対策として医師によるアドバイス動画が実装されています。高ストレス者のみならず中ストレス者向けのアドバイス動画も併せて実装されています。
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